大分神社探訪

海原六神社(竹田市直入町下田北〈なおいりまちしもたきた〉)

海原六神社鳥居
海原六神社(かいばらろくじんじゃ)は,芹川ダムの近く,小津留(おづる)地区に鎮座する。
当社は,その由緒に関して地元でもまったく伝承がないという特異な神社である。「小津留村明細帳」(享保十年)に「六社権現一宇 本社三間三間板ぶき 拝殿三間三間半かやぶき」と記録されているが,由緒の記載はないという。
祭神は,底津少童命(ソコツワタツミノミコト),中津少童,表津少童命,底筒男命(底土神),中筒男命,表筒男命の六柱である。
この山深い場所に海にゆかりのある神々が祭られているのは不思議である。
海原六神社鳥居額束海原六神社社殿
海原六神社社殿全貌
海原六神社拝殿
拝殿(明治四十年建築)が,「表拝殿」と「奥拝殿」の二部分からなっており,この形式は当地では珍しいという。

海原六神社本殿海原六神社脇障子(左)海原六神社脇障子(右)
明治十九年(1886)に建てられた本殿にはていねいな彫刻が見られ,保存状態もいい。

一帯は水の豊富な場所で,境内の脇に毎分4トンの地下水が湧き出ている場所がある。小津留湧水(海原名水)として知られる名水で,最近は「神の水」などとも呼ばれている。「水の駅」と称する施設が建てられ,訪れる人も多い。

(大分県竹田市直入町大字下田北)
2005.11.20, 2013.9.15, 2014.3.31


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