大分神社探訪

愛宕神社(日出町大神〈ひじまちおおが〉)

日出町大神の愛宕神社
愛宕神社は,JR(日豊本線)大神駅の北西1キロメートルに鎮座する。場所は日出暘谷高校のすぐ近くの高台である。
大神比義(宇佐神宮に深くかかわる人物)が創祀したという伝承がある。
もともと伊弉冉尊と軻遇津知命を祭神とするが,中世から愛宕勝軍地蔵尊を祭るようになり,逵ノ堂愛宕大権現(つじのどう・あたごだいごんげん)とも呼ばれる。
慶長六年(1601)に木下延俊が日出藩主として当地に入ってから,当社が暘谷城の鬼門の方位に当たるため篤く崇敬されるようになった。当社の神護寺として安光寺があったが,木下公がこれを城内に移し愛宕山円海寺(現在の蓮華寺)とし,当社を円海寺の奥の院と位置づけた(日田市天瀬町馬原の高塚地蔵尊も当社を分祀して開いたと伝える)。明治以降,当社は円海寺と分離された。
日出町大神の愛宕神社社殿日出町大神の愛宕神社本殿

人見竹洞の瞽者放明碑
宝永二年(1705)に失明した村人が当社の霊験によって視力を回復したという奇瑞があり,これを記念して人見竹洞(幕府の儒者)が撰文した「瞽者放明碑」が建てられた。
日出町大神の愛宕神社境内
境内に生目神と保食神を祭る石祠がある。生目神は眼病を治す神として信仰されている。

(大分県速見郡日出町大字大神,JR大神駅から徒歩15分)
2008.3.28


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