大分神社探訪

火男火売神社(別府市火売〈ほのめ〉)

火男火売神社一の鳥居
火男火売神社(ほのをほのめじんじゃ)は,JR(日豊本線)別府駅の北西5キロメートルに鎮座する。坊主地獄のバス停から近い。鶴見権現とも呼ばれる。
当社は『延喜式』の「火男火賣神社二座」(豐後國速見郡)である。現在,上宮が鶴見岳山頂に,中宮が中腹にあり,当社は下宮(里宮)に当たる。
発祥はおそらく火山である鶴見岳への信仰であろう。鶴見岳は貞観九年(867)に大爆発したが,それを鎮めた功によって当社が従五位上を授けられたという記録がある。
現在の祭神は,境内の由緒によると伊邪那伎神,伊邪那美神,火迦具土神の三柱である。いっぽう『式内社調査報告』は伊弉冉尊,火軻具土命,豊受姫命,大山積命の四柱とし,一致しない。
火男火売神社二の鳥居
二の鳥居と拝殿の間に横長の建物(門)がある。

火男火売神社社殿火男火売神社拝殿しめ縄
火男火売神社本殿火男火売神社拝殿内部
明治七年(1874)に社殿を焼失し,明治十四年(1881)に再建された。
拝殿内の額には「火男神・火賣神」と書かれている。

火男火売神社境内
社殿の横に稲荷社,天神宮,金刀比羅社などが祭られている。
周囲にはイチイガシを中心とする鬱蒼とした樹林が形成されており,大分県の天然記念物に指定されている。

火男火売神社狛犬(吽像)火男火売神社狛犬(阿像)
参道入り口の狛犬の台座には「元治元年」(1864年)の銘がある。

(大分県別府市火売)
2009.2.26, 2014.4.2


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