大分神社探訪

吉弘神社(別府市石垣西〈いしがきにし〉)

石垣西の吉弘神社
吉弘神社は,JR(日豊本線)別府大学駅の南西約1.5キロメートル,実相寺公園の東に鎮座する。
当社は,いわゆる産土神や地域の鎮守ではなく,大友義統(おおともよしむね,大友宗麟の長男)の家臣の吉弘統幸(よしひろむねゆき)を祭るため,近代になって建てられた神社である。
吉弘統幸が仕える大友義統は石田三成について挙兵し,この石垣原(いしがきばる)の地で黒田如水(豊前国中津城主)の軍と交戦して戦死した。村民は,統幸をこの地に埋葬して菩提を弔った。
時が流れ,大正十一年(1922)に墓所の前に社殿を建てて吉弘神社と名付けたのが当社の起源である。
石垣西の吉弘神社拝殿向拝部分石垣西の吉弘神社拝殿内部
石垣西の吉弘神社本殿
社殿は,一般的な神社と同じく,拝殿と本殿からなる。

吉弘統幸墓所
本殿裏手に,吉弘統幸の墓と伝えられている石碑がある。また細川氏が統幸のために建立した石殿や,統幸の家臣の室理清左衛門(むろりせいざえもん)の墓も残っている。墓所の一画は別府市の有形文化財に指定されている(昭和四十七年)。

吉弘神社狛犬(吽像)吉弘神社狛犬(阿像)
拝殿前の狛犬は大正十四年(1925)のもので,台座に「石匠 大分 田口勘蔵」の銘がある。
大分市周辺でよく見かける表情をしている。

(大分県別府市石垣西6丁目)
2009.2.26


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