八津島神社は,JR(日豊本線)豊岡駅の北東1.2キロメートルに鎮座する。
天平六年(734)の勧請と伝える。勧請の時,この地にかつて湍津姫命が降臨したという伝承があることにより,宗像三女神(湍津姫命,田心姫命,市杵島姫)と天津日命,天津彦根命,活津彦根命,熊野橡樟命,正勝吾勝勝速日天忍穂耳命を祭神とした。いずれもアマテラスとスサノオの「うけひ」によって生まれた神である。
八柱の神を祭ったことにちなんで社号を「八津島」としたという。
しかし一時期「善神王宮」と呼ばれていたという。善神王(ぜじんの,ぜんじょう)は国東半島などで信仰されている神で,武内宿禰だともされる。
流造の本殿は明治二十八年の改築である。
境内には石祠がいくつか祭られている。町史が引く「神社明細帳」は,境内社として天満社(菅原神),高良社(武内宿禰),神明社(豊受大神),鏡宮(藤原廣嗣)の四社を記録している。
参道途中の「二の鳥居」は,大友宗麟が永禄七年(1564)に寄進したものとされる。
(大分県速見郡日出町豊岡)
2011.3.15