大分神社探訪

八幡神社(大分市本神崎〈ほんこうざき〉)

大分市神崎八幡神社社頭
八幡神社は,JR(日豊本線)幸崎駅の北東1キロメートル,旧佐賀関町の本神崎地区に鎮座する。
最初の鳥居と社地の間に国道197号線(愛媛街道)が通っている。社地の背後に築山古墳(つきやまこふん)がある。
豊後国守護の大友氏泰(おおともうじやす,1321-62)の時の勧請と伝える。江戸時代には肥後藩主(細川氏)の崇敬が篤かった。
祭神は,帯仲比古天皇尊,品陀和気尊,息長帯毘売尊である。明治六年(1873)に村社に列せられた。
境内社として,稲荷社(豊受比売命),厳島神社(市杵島姫神,建埴安神),金刀比羅社(大物主命),山神社(大山祇神,猿田彦神)があったという。
明治十八年(1885)に字鍛冶屋の鍛冶屋神社(菅原神),字子猫の子猫神社(少那毘古名命,菅原神),字河内の金刀毘羅神社(大物主神)を合併。明治二十一年(1888)に字河内の河内神社(多紀理毘売命,狭依毘売命,多岐都比売命,菅原神を合併。明治四十年に字来島の久留島神社(保食神)を合併した。

大分市神崎八幡神社二の鳥居
参道が左に折れ,西向きに社殿が建っている。
大分市神崎八幡神社拝殿大分市神崎八幡神社拝殿の屋根大分市神崎八幡神社拝殿の屋根
拝殿の屋根瓦の細かい装飾は大分市周辺の社殿の特徴である。
大分市神崎八幡神社本殿大分市神崎八幡神社本殿
拝殿の背後に流造の本殿が建つ。

大分市神崎八幡神社境内の築山四柱神社大分市神崎八幡神社境内の合祀社
境内に築山四柱神社と合祀社が建っている。
四柱神社は築山古墳(昭和七年に発見)に埋葬されていた四体(女1,男3)のために建てられたのであろう。
合祀社の内部には神名を記した札が掛かっている。建埴安神,市杵島姫大神,金刀比羅大神,菅原大神,稲荷大明神,猿田彦大神,大山祇大神,愛宕大神である。
大分市神崎八幡神社境内の愛宕社大分市神崎八幡神社境内の愛宕地蔵尊
また古墳の中腹あたりに愛宕社が建っており,江戸初期の制作とも推定される木造地蔵菩薩(愛宕地蔵)が祀られている。旧佐賀関町によって有形文化財に指定された(昭和五十六年)。

(大分県大分市本神崎)
2013.9.17


大分市(佐賀関,野津原地区)神社探訪