柁鼻神社(かじばなじんじゃ)は,JR(日豊本線)宇佐駅の北西1.5キロメートルに鎮座する。
神武天皇は東征の途次,この地に上陸したと伝える。
上陸した神武天皇を饗応したのが,この地の土豪の菟狹津彦(ウサツヒコ),菟狹津媛(ウサツヒメ)の姉弟(兄妹)である。
この時,天皇の命によって従者の天種子命(アメノタネコノミコト)が菟狹津媛を娶り,これ以後,朝廷と宇佐の関係が深まった。
当社の主祭神は,神武天皇の父である鵜草葺不合尊(ウガヤフキアエズノミコト),同じく兄である彦五瀬尊(ヒコイツセノミコト),神日本磐余彦尊(カムヤマトイワレヒコノミコト)すなわち神武天皇の三柱である。
そのほか,伊弉諾伊弉冉尊,市杵島姫尊,柁神命,気長足姫命,和気清麿,大物主神,顕仁尊,火彦霊神,菅原髪,高龗尊が合祀されている。
一段高い場所に二の鳥居がある。
覆屋の中に祠が並んでいる。中央に置かれた社殿には主祭神の三柱が祀られている。
境内に石祠が集められているが,詳細は不明。
市史は境内社を三社記録している。
金刀比羅神社(大名持神),天満神社(管原道真公),八坂神社(素盞嗚命)である。
当社の東に和気清麻呂が船を繋いだとされる船繋ぎ石がある。
(大分県宇佐市和気)
2018.3.17