諸国神社めぐり

羽黒神社(福島市御山〈おやま〉)

羽黒神社参道
「日本一の大わらじ」で知られる羽黒神社(はぐろじんじゃ)は,信夫山の山頂(268m)に近い羽黒峯(東峯)に鎮座する。
創立年月は不詳であるが,太古より倉稲魂命を祀っていたという。
古くは「羽黒大権現」と称し,信夫,伊達一帯の総鎮守として信仰を集めた。
この地の伝承によると,欽明天皇の時(6世紀)に王位継承の内乱が起こり,天皇の妃の石姫命(いしひめのみこと)と皇子の渟倉太命(ぬなくらふとのみこと)がこの地に逃れ,二人ともこの地で亡くなったという。
皇子の奉持した鏡を月読命の霊代として月山神社(当社の南西500メートル)に納め,皇子の御霊を羽黒神社に合祀したと伝える。
中世以降は神仏習合し,修験の霊場として栄えた。
明治になって別当の真浄院と分離し,羽黒神社として独立した。
現在は,信夫山の麓に鎮座する黒沼神社の摂社である。

羽黒神社拝殿
社殿は弘化二年(1845)に建造の貴重なものであったが,昭和五十一年(1976)に焼失し,鉄筋コンクリート造で建て替えられた。
羽黒神社拝殿羽黒神社本殿羽黒神社拝殿額

羽黒神社本殿

(福島県福島市御山字谷)
2018.12.4


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