諸国神社めぐり

北野天満宮(上京区上京区馬喰町〈ばくろちょう〉)

北野天満宮社頭
北野天満宮は,京福電鉄(北野線)北野白梅町駅の北東500メートルに鎮座する。
当社は,福岡県太宰府市に鎮座する太宰府天満宮と並ぶ全国の天満宮(天神社)の総本社である。
延喜元年(901),従二位右大臣という高位高官にあった菅原道真が讒言によって大宰府に左遷され,二年後にその地で没した。その後,讒言の首謀者である藤原時平ら関係者の怪死や宮殿への落雷などの天変地異が頻発し,これが道真の怨霊によるものとして恐れられた。
ところで,道真を祀る以前からこの地は都を守護する重要な場所として重視されていた。今,当社の境内に「天神地祇」を祀る地主神社が鎮座しており,創建は天満宮より古いという。天皇は宮中の大極殿からこの地主神社に向かって祈ったという。北野の地は天空をつかさどる「天神」に対する信仰の中心であったが,道真を祀るようになってさらに霊験が増したのである。

しだいに道真の名誉回復の気運が高まり,天暦元年(947)に道真を祀る社殿が造営された。これが当社の起源である。
永延元年(987)には一條天皇による勅祭がおこなわれ「北野天満宮天神」の号が贈られた。
怨霊として畏怖された道真の神霊はしだいに鎮まり,江戸時代には学者としての道真に関心が移り,天満宮は「学問の神」に変貌した。
明治四年(1871)に官幣中社となって「北野神社」と改称した。現社号の「北野天満宮」となったのは,神社が国家の管理を離れた戦後である。

北野天満宮楼門
一の鳥居から進むと「文道大祖 風月本主」の額が掛かる楼門がある。
北野天満宮三光門北野天満宮三光門
本殿の前に三光門(重要文化財)がある。宮中の大極殿から天空を仰ぐとこの門の真上に北極星が見えたともいう。

北野天満宮社殿正面
祭神は菅原道真公で,相殿で中将殿(道真公の子息),吉祥女(道真公の北の方)を祀っている。
北野天満宮社殿正面北野天満宮社殿破風
慶長十二年(1607)に建造された檜皮葺の社殿は国宝に指定されており,本殿と拝殿を「石の間」でつないだ権現造(八棟造)で,拝殿の左右には「楽の間」が接続する。
北野天満宮社殿背面

(京都府京都市上京区馬喰町)
2018.12.18
北野天満宮(公式サイト)


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