御釜神社(おかまじんじゃ)は,JR(仙石線)本塩釜駅の西南西500メートル,鹽竈神社が祀られる一森山(いちもりやま)の南麓に鎮座する。
当社は鹽竈神社の末社で,祭神は鹽土老翁神(しおつちおぢのかみ)である。鹽土老翁神は,武甕槌神(たけみかづちのかみ)と経津主神(ふつぬしのかみ)の二神の先導をつとめた土着の神で,人々に製塩の法を教えたとされる。現在の鎮座地がかつての製塩の地と伝える。
例年7月の4日から7日にかけて,藻刈,御水替,藻塩焼,藤鞭社の特殊神事(藻塩焼)がおこなわれ,作られた藻塩は7月10日の鹽竈神社の例祭に供される。
参道の途中に石鳥居がある。
境内に鉄製の竈(神竈)が4基あり,これが「鹽竈」の地名の由来という。
鹽土老翁神が製塩法を教える際に海水を運ばせた牛が石になったという。
また水を運ぶ時に使った藤を逆さまに立てておいたものがそのまま根付いたとされ,牛石藤鞭社(うしいしふじむちしゃ)を建てて祀ったという。
藤鞭社の隣に池があり,水が澄んでいる時には牛の背が見えるという。
藻塩焼例祭では,この竈の上で海水を煮詰めて藻塩を焼き上げる。
(宮城県塩竈市本町7)
2020.9.11