妻科神社(つましなじんじゃ)は,JR長野駅の北西1キロメートル,長野県庁の北に鎮座する。
創立年月は不詳であるが,『延喜式』(神名帳)所載の古社である(信濃国水内郡九座の一)。また『三代実録』(巻四)に,貞観二年(860)に「妻科地神ほかが従五位下に叙せられた」とする記事がある。
境内から曲玉や管玉が出土し,周辺には古墳が多く,太古から開発が進んだ場所であったと思われる。
祭神は八坂刀賣命で,建御名方命と彦神別命を配祀する。
中世以降は,戸隠神社の仏法を守護する神として崇敬を集め,また善光寺の三鎮守としても重視された。
明治六年(1873)に郷社に列せられ,昭和六年(1931)に県社に昇格した。
拝殿は権現造で銅葺である。
拝殿の背後に流造の祝詞殿があり,離れた高所に一間社流造の本殿が建っている。
境内に天神社があるが,由緒は不明。また石祠(金毘羅大権現,秋葉山大権現)がいくつか並んでいる。
境内にはケヤキの巨木が多く,霊気に満ちている。
(長野県長野市南長野妻科218)
2017.9.3